ベーシックインカムの定義を公開 国際組織BIEN
ベーシックインカム推進の国際機関であるベーシックインカムアースネットワーク (BIEN) が明確化した定義を公開した*1。
ベーシックインカムの定義
- ベーシックインカムとは
- 定期的な現金での給付で、資産調査や労働要件なしにすべての個人に無条件に提供されるもの。
[Basic Income is] “a periodic cash payment unconditionally delivered to all on an individual basis, without means test or work requirement”
ベーシックインカムの5つの特徴
- 定期的 (Periodic): 一定の間隔で支払われる (例えば毎月ごと)。1回限りではない。
- 現金給付 (Cash payment): 交換に適しており、受領者が何に費やすか決定できるものによって支払われる。つまり、食べ物やサービス、特定の用途に限られた引換券などは該当しない。
- 個人向け (Individual): 個人に支払われる。世帯への給付ではない。
- 普遍的 (Universal): 資産調査なしにすべての人に支払われる。
- 無条件 (Unconditional): 労働要件や働く意思の実証なしに支払われる。
BIENが支持するベーシックインカム
あわせてBIENでは定義とは別に、次のようなベーシックインカムを積極的に支持することが決議された。
- 安定的な量と頻度をもつ
- 十分に高い
- 他の社会事業との協調性をもつ
- 物質的な貧困をなくすための政策戦略である
- すべての個人が社会的文化的な参加を可能とする
また、恵まれない、不安的な、低収入の人々の状況が悪化するような社会事業や給付の変更には反対するとしている。
むろんベーシックインカムがBIENの定める定義に沿っていなければならないわけではないが、国際的な議論の結果こういった定義が提唱された点は踏まえておくとよいだろう。